中高一貫校の進度 … 体系的なカリキュラムとは？

2020年5月13日2024年2月18日

中高一貫校は、中学高校を通じて「体系的なカリキュラム」を組んでいます。中高一貫校とはどのような学校のことで、中高一貫校の進度はどの科目でどの程度すすんでいるのかをチェック。また、中高一貫校には、「制度的な意味合い」と「実質的な意味合い」があるので注意が必要です。

Contents

中高一貫校とは？

中高一貫校には、「制度的な意味合い」と「実質的な意味合い」があります。ここでは、実際に中高一貫で進度をすすめている学校について考えてみます。

まず、中高一貫教育とは、系列校などにおいて中高を「体系的なカリキュラム」を組んでいるということです。そして、基本的には、中高の学習内容を「前倒し」しながらすすめて、高3で受験勉強の時間が取れるようにしています。

ただ、「前倒し」していてもホームページにはそれとわかることが書かれていないことがあります。これは、「中高一貫校の認可」や「検定教科書の使用」など制度的なものとの関係があると思われます。

逆に、系列の全ての中高が「前倒し」しているわけでもありませんし、同じ学校でもコースなどによって違うこともあるので、もし不明で心配な場合は学校に確認するのが一番です。

まず、中高一貫校のうちの一つのあり方が「中等教育学校」という存在です。中等教育学校は「中学」と「高校」の区別がなく一つの学校なので、「中学の卒業」も「高校の入学」もありません。なお、中高一貫校と中等教育学校の違いについては、別の記事で詳しく書いています。

進度の度合いは、さまざまと言えばさまざまですが、やはり「メインで使う教材」によってほぼ進度が決まってきます。

まず、中高一貫校では、数学については一般の中学校の3年分の学習内容を2年間で学習するのが標準的です。そして、中高一貫校の中3は、「一般の高1の内容」を学習します。なお、使用教科書には、次のようなものがあります。

高校の数学のボリュームが大きいので、中高一貫校でない公立進学校などでは多少「前倒し」しながらすすめています。

中高一貫校では、英語については一般の中1から高1までの4年分を3年間で学習するイメージです。また、年次の目安は「文法の履修内容」についてですが、あわせて単語など「語彙力」も高いレベルが必要となります。なお、使用教科書には、次のようなものがあります。

・NEW TREASURE ／ z会
・プログレス21 ／エデック社
・SUPERIOR ／

＊「SUPERIOR」は、ある塾用教材の中学3年分の内容を2冊に編集したものがベースとなっています。ただ、出版社名がオープンになっておらずHPにも掲載されていないので、ここでも明らかにするのは控えました。

中高一貫校では、数学や英語以外の科目でも進度を「前倒し」してすすめている場合がありますが、とくに理科などでは学校によっての違いが大きいので確認が必要です。ただし、数学と英語の「前倒し」を優先しているところが多くなっています。

・制度の呼び方としての「中高一貫校」ですが、一般的には実質的に「中高一貫カリキュラム」を採用している学校のことを言う場合が多い。
・「中高一貫カリキュラム」を採用しているかどうかは、各校、各コースによる。
・数学と英語は「中高一貫用の教科書」を使っているところが多い。