秋芳洞 … 日本屈指の鍾乳洞 特別天然記念物 秋芳洞

2024年2月4日

秋芳洞 百枚皿

「秋芳洞(あきよしどう)」は、山口県美祢市の秋吉台国定公園に位置する「日本最大規模の鍾乳洞」であり、「特別天然記念物」に指定されています。また、鍾乳洞内部には約1kmにもおよぶ「地下川」が流れており、鍾乳洞の総延長は2016年からの調査でおよそ10kmであることがわかりました。

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「秋芳洞」について

秋芳洞は「あきよしどう」と読みます。「しゅうほうどう」と読まれることもありますが正式ではありません。ただし、住所は「秋芳町(しゅうほうちょう)」と読みます。

まずは、秋芳洞について 詳しく見ていきます。

「秋芳洞」とは

洞窟のつくりと規模

まず、秋芳洞の位置について、「秋吉台国定公園」の地下100mにあり、南側が開口部となっています。なお、人が通りづらくなっているところもありますが、基本的には大きく開けており圧迫感はあまりない洞窟になっています。

総延長は、1990年頃の調査では約8,850m ということでしたが、2016年からの調査では約10,700mであることがわかりました。また、正面入口から黒谷入り口の高低差は約40mほどあります。

洞窟内の気候や生き物

洞窟内部は、一年を通して気温は約17℃、湿度は約95%と一定です。そして、洞窟内には地上とつながる「風穴」があり、その縦穴の深さは約90mと言われています。なお、地上と洞窟内部の気温差から、冬には「風穴」から風が吹き出し、夏には「風穴」から空気を吸い込みます。

洞窟内では、至るところで 1〜10mmほどの小動物が見られます。また、洞窟内の生き物の多くは目が退化しており色が白いのが特徴で、洞窟内という特殊な環境で長い年月をかけて変化してきたことを窺い知ることができます。

なお、生息しているのは、アキヨシシロアヤトビムシ、アキヨシホラズミカニムシ、ニホンヨコエビ、アキヨシミジンツボ、テングコウモリなどです。

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「 秋芳洞 」の歴史

調査により詳細判明へ

秋芳洞は、1354年の大旱魃のため洞窟内で「雨乞いの儀式」を行った際に開山されたということです。さらに、江戸時代には「千畳敷(せんじょうじき)」について書かれていたり、地元民が大挙して洞窟の奥まで入っていったという記録が残っています。

1898年の内務省の調査のあと、エドワード・ガントレットや中目覚(なかのめあきら)らによる調査がすすみ、洞窟の全容を知ることになります。そして、1909年に「観光洞」として開かれることになりました。

天然記念物指定と名称変更

1922年に内務省の天然記念物調査団によって詳細な測量図が作成されると、1922年に「天然記念物」の指定を受けます。さらに、1952年には国の「特別天然記念物」に、1955年には秋吉台が「国定公園」に指定されることになりました。

秋芳洞は、もともと「滝穴(たきあな)」と呼ばれていました。しかし、1926年に東宮(のちの昭和天皇)がご探勝になった際に、「滝穴」は一般的な名称で固有名詞としての独特の名称があったほうがよいのではという話になります。そういったことから、東宮から「秋芳洞(あきよしどう)」という名前を賜ることになったのです。

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「秋芳洞」のようす

正面入口付近( 南部 )

正面入口

入洞受付を済ませて洞内に入るところです。「地下川」から激しく水が流れ出しているのがわかります。こうやって見ると中は狭そうに感じられますが、開けているところが多くなっていますよ。

秋芳洞 正面入口
「 正面入口 」

百枚皿

次に「百枚皿」、少量の水が穏やかに流れて水たまりをつくり、棚田(たなだ)のよう形成されたものです。なお、この水たまりは「リムストーンプール」や「畦石池(あぜいしいけ)」と呼ばれます。

秋芳洞 百枚皿
「 百枚皿 」

洞内富士

そして、こちらの「洞内富士」は直径約5mの石柱です。なお、下部は「フローストーン」と呼ばれる流れる地下水から生じた「皮膜上の鍾乳石」でできています。

秋芳洞 洞内富士
「 洞内富士 」

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エレベーター入口付近( 中央部 )

千畳敷

まずは「千畳敷」、長さ175m、幅80m、高低差30mの巨大な洞窟内の空間のことです。なお、現存する日本最大のものとなっています。

黄金柱( こがねばしら )

次に「黄金柱」、高さ約15mにもおよぶ「フローストーン」でできた柱です。また、秋芳洞のシンボルにもなっており、よく写真で紹介されています。

秋芳洞黄金柱
「 黄金柱 」

巌窟王( がんくつおう )

最後に「巌窟王」、1840年代に発表されたフランスの小説『モンテ・クリスト伯』から取った名前で、高さは8mです。ちなみに、鍾乳石の「3cm」になるのに「400年」かかると言われているため、この「巌窟王」ができるまでに 10万年以上かかったという計算になりますね。

秋芳洞巌窟王
「 巌窟王 」

秋芳洞の案内

それでは、秋芳洞の入洞案内やアクセスについて見ていきましょう。

「国定公園 秋吉台/特別天然記念物 秋芳洞」リーフレット:案内と周辺地図

入洞案内

入洞受付

3-11月 : 8:30- 17:30(閉洞 18:30)
12- 2月 : 8:30- 16:30(閉洞 17:30)

入洞料金

高校生以上1,300円、 中学生1,050円、 小学生700円

アクセス

〒754-0511 山口県美祢市秋芳町秋吉3506-2

公共交通機関で

JR新山口駅から バスで約40分
JR山口駅から バスで約60分

車で

中国自動車道「美祢東JCT」経由 小郡萩道路「秋吉台IC」から 約5分
中国自動車道「美祢IC」から 約15分

【 駐車場 】
正面入口付近:普通車357台、 500円 / 日。 8:30-16:30
黒谷入口付近:普通車120台 無料。
エレベーター入口付近:普通車150台 無料。

地図

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