水口城 … 徳川家光が東海道の宿場町に築かせた城

2024年1月24日

水口城

「水口城(みなくちじょう)」は、江戸幕府の3代将軍徳川家光が京都への上洛の際の宿館として築かせたものです。なお、改修は 小堀遠州が担当、「二条城御殿」に模した豪華な御殿を築きました。江戸時代に幕府の直轄地となった「水口」は、東海道の宿場町にもなり宿場町として城下町としても賑わうことになります。

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Contents

水口城について

春には美しい「桜」が見られる「水口城跡」、まずはその歴史から見ていきましょう。

水口城の歴史

水口岡山城

まず、もともと水口にあった水口城は、現在は「水口岡山城」と呼ばれており、現在の水口城とは全く別のものでした。また、豊臣秀吉が甲賀郡(こうかぐん)の拠点として築かせた城で、京都から伊勢へのルートの要所となっており、増田長盛(ましたながもり)や 長束正家(なつかまさいえ)といった当時の「五奉行」が入城していました。

1600年の「関ヶ原の戦い」で西軍が敗れると、長束正家は籠城するも 攻め落とされて開城し、切腹させられることになりました。そして、「水口岡山城」は、ほどなくして廃城となります。

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水口御殿時代

1620年頃、徳川秀忠の宿泊施設として「水口御殿」が築かれたと言われています。ただ、資料によっては1603〜1604年頃に築かれたのちに、1620年に改修されたのではないかという説もあります。秀忠が3回、家光が2回、上洛時に休憩や宿泊をしたということです。

なお、場所は水口城の東南東方向数百メートルのところにあったと伝わっており、水口城築城後には撤去されています。

水口城築城

「関ヶ原の戦い」後、水口は江戸幕府の直轄地となっており、東海道の「宿場町」に指定されることになりました。そこで、1634年に江戸幕府の3代将軍徳川家光が「水口御殿」に代えて、新たに水口城を築かせました。築城は小堀政一(通称:小堀遠州)が担当し、城内に「二条城」に模した豪華な御殿が築かれたと言われています。しかし、家光が宿舎としたのは 1度きりで、以降は幕府が管理していました。

その後、加藤嘉明の孫にあたる加藤明友が加増され、1682年に「水口藩」を立藩します。これにより、水口城は「水口藩」の藩庁となり、加藤明友の居城となりました。そして、「明治維新」を迎えて廃城となるまで、加藤家が城主として城を守りました。

日本の城 改訂版72号(水口城) [ 分冊百科 ]

今に残る水口城

現在残されているのは、石垣と 一旦別の場所に移築された「乾矢倉」を再移築して「水口城資料館」として利用しているものです。

「水口城資料館(旧乾矢倉)」

「旧乾矢倉」は現在は「水口城資料館」として利用されています。なお、建物の中には、歴史資料のほか、「兜(かぶと)」や「甲冑(かっちゅう)」などの武具、水口の歴史がわかる資料などもあり、二階にも上がることができます。

水口城 旧乾矢倉
「 水口城資料館( 旧乾矢倉 )」

さらに、ここからは「水口岡山城」があった場所が見えます。以下の写真中央の ちょうど盛り上がったところです。

水口岡山城
「 水口岡山城 」

「城門」

次に、「水口城資料館」から「本丸跡」への「城門」です。門の両サイドは「お手洗い」となっており、当時のものではないと思われます。

水口城 城門
「 城門 」

「 本丸跡 」

最後に「本丸跡」、現在は 「滋賀県立水口高等学校」のグラウンドとして利用されています。そのため、関係者以外は「立入禁止」です。

水口城 本丸跡
「 本丸跡 」

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水口城の案内

それでは、水口城の入場案内やアクセスについて見ていきましょう。ただ、「本丸跡」は 水口高校のグラウンドとなっているため、「旧乾櫓」を利用した「水口城資料館」への案内をします。

水口城の入城案内(水口城資料館

開館時間

10:00 – 17:00(木曜、金曜、年末年始は休館)

入館料

大人 100円、 小中学校 50円

水口城 へのアクセス

〒528-0053 滋賀県甲賀市水口町本丸4-80

公共交通機関で

近江鉄道 水口・蒲生野線 / 水口城南駅から 徒歩3分

車で

<大阪方面から> 名神高速道路 / 栗東湖南ICから 約25分
<北陸方面から> 名神高速道路 / 蒲生スマートICから 約22分
<名古屋方面から> 新名神高速道路 / 甲賀土山ICから 約18分

*なお、北側に駐車場30台あり。

地図

滋賀の本 (エルマガMOOK)

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