小学校教員資格認定試験①…試験の概要
令和3年度(2021年度)の「小学校教員資格認定試験」を受験し合格した経験をもとに、概要から一次試験、二次試験の詳細、合格後の手続きなどについて紹介していきます。そして、今回はその第1回で「試験の概要」に各項目のポイントを書き添えたものです。
Contents
はじめに
私は、令和3年度(2021年度)に合格しました。実際に受験し合格した経験を紹介できればと思います。
「小学校教員資格認定試験」概要
この試験は、文部科学省が広く人材を求めるため、教員として必要な資質、能力を身に付けた方が教員免許を取得する方策として実施するものです。そして、その試験実施事務は独立行政法人教職員支援機構が行っています。
「小学校教員資格認定試験」の趣旨
まず、この試験は、学力などが大学や短大で小学校教諭の二種免許状を取得した者と同等の水準に達しているかどうかを判定するものです。合格し都道府県教育委員会に申請すると、小学校教諭の二種免許状が授与されます。
申請の仕方は、都道府県教育委員会によってまちまちなので確認が必要です。なお、詳細については最終回の「試験後の手続き」の回に記載します。
取得できる免許状
小学校教諭二種免許状
小学校で指導することにおいては、この「小学校教諭二種免許状」があれば問題ありません。ただ、将来的に「一種」の取得を目指すよう促されることはあるようです。
受験資格
高等学校を卒業した者、その他大学に入学する資格を有する者。
令和5年度は「平成15年4月1日までに生まれたもの」と記載があるので、試験年度に20歳以上になるもことがもう一つの条件となります。
試験日程(令和5年度)
願書等請求受付期間:令和5年 5月 5日(金)まで
出願期間 :令和5年 4月24日(月)から
令和5年 5月12日(金)まで
受験票の交付 :令和5年 7月上旬頃
第1次試験日 :令和5年 7月30日(日)
(1次試験予備日):令和5年 8月13日(日)
第1次試験合否通知:令和5年10月 6日(金)までに発送
第2次試験 :令和5年10月28日(土)29日(日)
(2次試験予備日):令和5年11月11日(土)12日(日)
合格者発表 :令和5年12月20日(水)発送
年々日程が前倒しになっていますが、令和5年度は令和4年度に近い日程となっています。
→令和5年度の詳細は こちら
出願期間は5月12日まで、第1次試験日は7月30日です。
また、合格者発表は12月20日と令和4年よりも早くなりました。
試験の内容(令和5年度)
次に「試験の内容」、令和2年度からは大きく変更がありました。なお、令和3,4年度も概ね同じ内容でした。
第1次試験
実施日と場所
実施日:令和5年7月30日(日)
場 所:東京流通センター(東京都大田区)、新梅田研修センター(大阪市福島区)
東京会場は令和4年度と同じですが、大阪会場は令和4年度とは違うので注意が必要です。
試験内容
それでは、各項目の試験内容の案内です。なお、令和4年度の過去問はこちらに掲載されています。
教科及び教職に関する科目(Ⅰ)
「教育の基礎的理解に関する項目」および「道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談に関する科目」に関する専門的事項
合格ライン:満点の6割以上(令和4年度)
いわゆる「教職」にあたる内容です。教育史や教育基本法を始めとする教職の基本からの内容が出題されます。また、令和4年度は、試験時間70分間、20問の出題でマークシートによる解答でした。
教科及び教職に関する科目(Ⅱ)
小学校各教科の具体的な授業場面を想定した指導法及びこれに付随する基礎的な教科内容。
合格ライン:選択した6教科の満点合計の6割以上。6教科のうち1教科でも4割に満たない場合は不合格。(令和4年度)
各教科の知識や理解を問う問題と各教科の指導に関する内容の問題があります。また、10教科から、音楽、図画工作、体育のうち2教科以上を含む6教科を選択します。マークシート方式で試験時間は180分間と余裕がありました。
教科及び教職に関する科目(Ⅲ)
小学校各教科の具体的な授業場面を想定した指導法及びこれに付随する基礎的な教科内容。
合格ライン:満点の6割以上(令和4年度)
試験内容は(Ⅱ)と同じことが書かれていますが、違いは記述式であることと10教科の中から1教科を選択することです。ただ、科目によって問題数や解答の文字数は差があります。(Ⅳ)とあわせて120分間の解答時間となりますが、こちらはかなり時間的に厳しいのではないかと思います。
教科及び教職に関する科目(Ⅳ)
教職への理解及び意欲、児童理解、実践的指導力等、小学校教員として必要な能力等の全般に関する事項。
合格ライン:A・Bの2段階評価とし、Aを合格とする。
令和3年度の試験では、「学び続ける教師」「いじめにどう取り組むか」というったことが問われました。いずれも300字以上400字以内、(Ⅲ)とあわせて120分の解答時間でした。
第2次試験
実施日と方法
実施日:令和5年10月28日(土)および10月29日(日)
方 法:ウェブ会議ツールにより実施
令和3年度はZOOMで実施、令和4年度は東京近郊の会場で実施されました。
試験内容
教職への理解及び、小学校教員として必要な実践的指導力に関する事項。具体的には、「指導案の作成」「模擬授業」「グループ討議」及び「課題論文作成」
合格ライン:複数課題について、総合的にA・Bの2段階で評価し、Aを合格とする。
令和3年度は、1日目は「講義」のあとに「課題論文の作成」と「指導案の作成」、2日目に「グループ討議」と「模擬授業」がありました。
合格発表
最後に「合格発表」、令和5年12月20日(水)に、合格者には合格証書、不合格者には試験結果通知書を発送。
合格後、各教育委員会に免許の申請をすることができます。なお、合格者に送られる「合格証書」で申請できる自治体もあれば、別途「合格証明書」を発行してもらってから自治体に申請となる場合もあります。各自治体での確認が必要です。
さて、試験の概要についてはここまで。次回は第1次試験について、勉強法やいた教材もも含めて詳しく紹介していきます。
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