英検 … 英検の特徴と英検をうまく利用する方法とは
広く知られている「英語検定(通称:英検)」について、その特徴と利用法を紹介します。とくに、将来、一定レベル以上の大学を目指す人向けの話です。なお、「英検によってどういった力を伸ばすのか」と「英検の結果はどのように利用できるのか」の二つに分けての取り組みがポイントになります。
Contents
「英検」の特徴
英検の特徴について、大学受験をする予定の人の目線で見るとどんな感じなのでしょうか。それでは、入試問題にもさまざまありますが、大学入試や高校入試の一般的なイメージを基準に「英検の特徴」をみていきます。
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「英検」の問題構成
まずは、主要な級の問題構成を見ておきましょう。なお、数字は問題数です。過去問は英検HPに3回分掲載されているので、いつでも確認できます。
2級
<一次試験>
リーディング:短文語句の空所補充20、長文語句補充6、長文内容一致選択12
ライティング:英作文1
リスニング :会話の内容一致選択15、文の内容一致選択15
<二次試験>
スピーキング:音読1、パッセージの質問1、イラストの質問1、受験者自身のこと2
準2級
<一次試験>
リーディング:短文語句の空所補充20、会話文空所補充5、長文語句補充5、長文内容一致選択7
ライティング:英作文 1
リスニング :会話応答文選択10、会話の内容一致選択10、文の内容一致選択10
<二次試験>
スピーキング:音読1、パッセージの質問1、イラストの質問2、受験者自身のこと2
3級
<一次試験>
リーディング:短文語句の空所補充15、会話文空所補充5、長文内容一致選択10
ライティング:英作文1
リスニング :会話応答文選択10、会話の内容一致選択10、文の内容一致選択10
<二次試験>
スピーキング:音読1、パッセージの質問1、イラストの質問2、受験者自身のこと2
4級
<一次試験>
リーディング:短文語句の空所補充15、会話文空所補充5、短文の語句整序5、長文内容一致選択10
リスニング :会話応答文選択10、会話の内容一致選択10、文の内容一致選択10
<二次試験>
スピーキング:音読1、パッセージの質問2、イラストの質問1、受験者自身のこと1
5級
<一次試験>
リーディング:短文語句の空所補充15、会話文空所補充5、短文の語句整序5
リスニング :会話応答文選択10、会話の内容一致選択5、イラスト内容一致選択10
<二次試験>
スピーキング:音読1、パッセージの質問2、受験者自身のこと1
合格するための重要なポイント
英検において、とくに重要になるのは「単語」と「リスニング」です。
「英単語」
序盤に出題される単文の空所補充四択問題のほか、以降の問題も全体として単語がわからなければ解きづらくなります。そのため、英単語の練習はしっかりやっておくといいですね。ただ、英作文以外は選択問題なので、英単語を見て意味がわかるような練習をしておくと対応できます。
「リスニング」
リスニングは全体に占める割合も大きいので、十分な練習が必要です。とくにリスニングが得意な人でなければ、英検の過去問を演習するだけではもの足りないと思います。最近では、長文の本文を聞けるようになっているテキストも多いので、問題形式にこだわらず長文の文章を聞く習慣をつけるといいですね。
合否にあまり影響しないポイント
それでは、さまざまな学習が必要なのですが、英検合格に向けて「優先順位が低い」ものをあげておきましょう。
「英文法」
「英文法は必要ないの?」と思われたかもしれませんが、あくまで優先順位としては低いということです。例えば、英検3級は中3で履修する文法までが出題範囲なのですが、文法問題がもとから数問しかないので影響は小さくなります。また、その文法事項が長文の本文中にも登場しますが、それほど多くありません。
英文法に基づく問題が少ないのであれば、逆に「自分の学年より上位に相当する級も受験しやすい」ということですね。
「記述力」
難しい単語や表現を使ったからといって加点されるわけではないので、どちらかというと平易な文をミスなく書くほうがいいということになります。また、採点もそれほど厳しくないので、一定の練習は必要ですが大きく時間を割くポイントとは言えません。
「英検」をうまく利用する方法
さて、ここからは「英検を機会に自分を伸ばすこと」と「英検の結果を利用すること」の二つに分けてお話していきます。
「英検」で伸ばす能力
上記の英検の特徴から、英検を機に伸ばすべき能力は「単語力」と「リスニング力」です。ある程度は「英検は単語力とリスニング力を伸ばすもの」と割り切って、小学生なら中学で、中学生なら高校でのアドバンテージをつくるつもりで学習できるといいのではないでしょうか。
とくに単語については、高校の単語暗記で挫折する人も多いのですが、英検受験を通じて「英→和」だけでも高い単語力をつけておくと少しは楽になりますね。
「英検」を利用できる大学受験
基本的には年により変わるので、毎年自分の志望校の状況をチェックするしかありません。ただ、目安としては 2級までを目指すのがよいでしょう。
大学受験では、「加点方式」や「得点換算方式」を採用しているケースがあります。なお、センター試験/大学入試共通テストに換算される場合は、有利になることが多いので上位級を取っておくに越したことはありません。
例として、「英検2級をセンター試験80%に換算する」という大学は複数あります。英検2級の人は、センター試験で80%をとるというデータがあるそうです。しかし、多くの人が「英検2級を取得したあとに 数段実力を高めてからセンター試験を受験している」ので、結果として80%を取っているからだと考えられます。
個人的には、英検2級をスレスレ合格した人が、その実力でその瞬間にセンター試験を受験すると50%程度ではないかと思います。センター試験で80%をとる人の多くは、高校1年生あたりまでに英検2級を取得し、その後は準1級を目指すことなく大学受験の勉強に集中しているのではないでしょうか。
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まとめ
・英検では、「単語力」と「リスニング力」を磨くのに有効
・「大学入試」では有利になることがある。
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