長谷寺(はせでら) … 花の御寺 西国三十三所観音霊場

2024年2月3日

長谷寺

「長谷寺」の山号は「豊山(ぶざん)」であり、真言宗豊山派の総本山です。徳道上人によって「西国三十三所観音霊場」が開かれ、その根本道場として信仰が広がっています。また、牡丹や椿、躑躅、紅葉など四季を通じてさまざまな花が見られることから、「花の御寺(みてら)」とも称されます。

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「長谷寺」について

山号を「豊山」、寺号を「長谷寺」、正式には「豊山神楽院長谷寺」と言います。

長谷寺 ホームページ:「花の御寺 長谷寺」

「長谷寺」の起こりと歴史

長谷寺開山

686年、道明上人が天武天皇のために「銅板法華説相図(どうばんほっけせっそうず)」を 初瀬山の西の丘(現在の本長谷寺付近)に安置したことが 長谷寺の始まりとされています。

のちの727年には、聖武天皇の勅願によって徳道上人が御本尊である「十一面観世音菩薩」を初瀬山の東の丘(現在の本堂付近)にお祀りになることで開山されたということが伝わっています。

歴史と宗派

もともと長谷寺は華厳宗の「東大寺」の末寺でしたが、平安中期には法相宗「興福寺」の末寺となります。そののち16世紀に真言宗の流れをくむ寺院となると、専誉(せんよ)により真言宗豊山派が大成されることになり 今日に至っています。

西国三十三所

「西国三十三所」とは、近畿の2府4県と岐阜にある「33の観音信仰の霊場の総称」です。なお、それぞれの霊場を札所とする巡礼が行われています。

長谷寺は、徳道上人が起源となっているという説があったり、平安時代から「観音霊場寺院」としてしられていたことから 西国三十三所の中でも重要な位置づけとなっています。そして、現在は西国三十三所 8番札所として多くの巡礼者が足を運んでいます。

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「長谷寺」の境内

それでは、いよいよ「長谷寺」の境内について見ていきましょう。なお、境内の地図や順路は「長谷寺HP」からリンクできる こちら から見ることができます。

伽藍など見どころ

仁王門

まずは、長谷寺の総門にあたる「仁王門」、入母屋造本瓦葺、楼門と呼ばれる二階建てであり下層に屋根がないタイプの門です。また、両側に「仁王像」、楼上には「釈迦三尊十六羅漢像(しゃかさんぞんじゅうろくらかんぞう)」が安置されています。なお、現在の「仁王門」は1894年に再建されたもので、重要文化財に指定されています。

長谷寺 仁王門
「 仁王門 」

登廊( のぼりろう )

次に、重要文化財に指定されている「登廊」は、上廊、蔵王堂、中廊、繋屋(つなぎや)、下廊からなる屋根付きの階段で、その段数は399段あります。なお、もとは1039年に造られたとされていますが、中廊、繋屋、下廊は 1894年に再建されたものです。

長谷寺 登廊
「 登廊 」

本堂

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さらに、国宝に指定されている本堂は、「懸造(かけづくり)」と呼ばれるつくりになっています。例えば京都の「清水寺(きよみずでら)」のように、傾斜や崖で高低差があるところを長い柱などで固定した上に建物を建てる様式です。

また、屋根の上部は2方向への勾配、下部は4方向への勾配となる「入母屋造本瓦葺」ですが、とくに舞台側から三角に見える妻の部分が大きいのが特徴となっています。

長谷寺 本堂
「 本堂 」

開山堂( かいさんどう )

「開山堂」は、長谷寺を開山したとされる徳道上人と西国三十三所各霊場の御本尊を祀っており、本堂のすぐ西側に位置します。

本長谷寺( もとはせでら )

天武天皇の勅願から、道明上人によって造営された精舎が「本長谷寺」です。なお、「銅板法華説相図」を本尊として祀られました。

五重塔

昭和の名塔と言われる「五重塔」は、1954年に三重塔跡の北側に造立されました。

五重塔
「 五重塔 」

本坊

最後に「本坊」、徳川家綱将軍時代の1667年に寄進により 建立されました。その後、1911年に炎上し、現在の建物は1924年に再建されたものです。なお、総檜造りの「大殿堂」で「大講堂」や「書院」などがあります。

本坊
「 本坊 」

るるぶ京都「奈良 社寺めぐり」(るるぶ情報版近畿8)

像などの美術品

十一面観世音菩薩立像

まず、本堂に安置される御本尊「十一面観世音菩薩立像」、高さ10.18m、右手に「錫杖(しゃくじょう)」、左手に「水瓶」を持ち、「盤石(ばんじゃく)」と呼ばれる台座の上にお姿が見られます。なお、国宝・重要文化財の木造彫刻の中で最大のものです。

また、近江国の高島に流れ着いた「霊木」から造られたという伝承がありますが、のちに幾度かの火災により復興されており、現在の御像は1538年に造られたものと言われています。

難陀竜王( なんだりゅうおう )立像

1316年に造立された「難陀竜王立像」は、御本尊に向かって右に安置されており、高さは2.13mです。なお、仏法を守護する八大龍王のひとりであり、頭上に龍を伴うものの老貌で人に近いお姿をされています。

雨宝童子( うほうどうじ )立像

「雨宝童子立像」は御本尊に向かって左に安置されており、1.781mの高さです。また、「天照大神(あまてらすおおかみ)」の化現とも言われ、髪を美豆良(みずら)に結ったお姿となっています。1537年頃から御本尊とともに造立されました。

銅板法華説相図( どうばんほっけせっそうず )

天武天皇のご病気平癒のため、道明上人がお祀りしたのが国宝「銅板法華説相図」です。なお、大きさは縦83.3cm 横74.2cmで、銅板中央に「三重塔」、下段には319文字の造立願文が刻まれています。

法華経安楽行品( ほっけきょうあんらくぎょうぼん )

次に、鎌倉時代の作である国宝「法華経安楽行品」は、装飾された経のことです。また、経が墨書きされているほか、見返し絵には「文殊菩薩」が飛来するようすが 金地に鮮やかな彩色で描かれています。

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「 長谷寺 」の案内

それでは、入山案内やアクセスについて見ていきましょう。

入山案内

入山時間

  4月-9月  : 8:30 〜 17:00
10-11月,3月 : 9:00 〜 17:00
 12月-2月 : 9:00 〜 16:30

入山料金

中学生以上500円、小学生250円

*なお、「本堂」や「大講堂」の特別拝観は別途料金が必要です。

御朱印

本堂向かいの「御朱印所」でいただくことができます。長谷寺HPやGoogleマップでは「納経 集印所」となっているところです。

アクセス

〒633-0112 奈良県桜井市初瀬731-1

電車で

近鉄大阪線 / 長谷寺駅から 徒歩15分
近鉄大阪線 / 桜井駅から 奈良交通バス / 長谷寺参道口下車 徒歩10分
JR万葉まほろば線 / 桜井駅から 奈良交通バス / 長谷寺参道口下車 徒歩10分

車で

大阪方面から :西名阪自動車道 / 天理ICから 約30分
名古屋方面から:名阪国道 / 針ICから 約25分
和歌山方面から:京奈和自動車道 / 橿原高田ICから 約30分

*駐車場は参道に数カ所あり、500円 / 回のところが多くなっています。なお、参道は道が狭いので注意が必要です。

地図

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関連リンク

最後に、その他の三十三所や近隣の情報の紹介です。

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