松本城 … 現存する五重六層の天守をもつ国宝の城

『松本城』は、松本盆地(長野県松本市)に位置します。そして、江戸時代以前につくられた「12の現存天守」のうちのひとつ、「国宝に指定された5つの天守」のうちのひとつです。それでは、松本城の城郭にまつわる6つの特徴について見ていきましょう。
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Contents
「松本城」について
それでは、この『松本城』について、「6つの特徴」と「簡単な歴史」から見ていきましょう。
「松本城」の特徴
・江戸時代以降につくられた「全国12の現存天守」のうちの一つである
・「国宝に指定された5つの天守」のうちの一つである
・「五重六層の天守」は高さ約25m、城としては規模が大きい
・松本盆地の平坦な場所にある 典型的な「平城」である
・外壁の色が「黒漆」である
・「日本100名城」に選定されている
「松本城」の歴史
戦国時代、府中小笠原氏が「林城」の支城として「深志城(ふかしじょう)」を築城したことによって始まったとされています。その後、武田氏が「深志城」を攻め落とし、武田氏の勢力は「深志城」を含む松本盆地から北信濃までとなりますが、武田氏の滅亡後は上杉謙信を後ろ盾に小笠原氏が城主として戻ります。
1590年には、石川数正が入城し「天守」や「城郭」「城下町」まで整備を始め、1593〜1594年頃に「天守」が築造されたのではないかと言われています。さらに、石川氏が改易となってからは 小笠原氏が戻り、1726年以降は戸田氏が代々城主として居城しました。
「松本城」の見どころ
それでは、松本城の見どころを見ていきましょう。次の写真で、中央に高くそびえるのが「大天守」、右側が「乾小天守(いぬいこてんしゅ)」で、これらをつなぐ部分が「渡櫓(わたりやぐら)」と呼ばれます。なお、左側は「辰巳附櫓(たつみつけやぐら)」と「月見櫓」です。
また、松本城内の観覧所要時間は、平均的には45分から60分程度と言われています。ただし、時期により駐車場の状況や入城待ちの時間により混雑しますので、GWやお盆の期間は余裕を持ったスケジュールで行くほうがよさそうです。

「 大天守 」
まずは、五重六層の「天守」です。内部には「武者窓(むしゃまど)」や「鉄砲狭間(てっぽうざま)」「弓狭間(ゆみざま)」などがあり、各所に攻撃に備える工夫が見られます。また、その他「資料」や「武具」、周辺での「出土品」などが展示されています。
四階には城主が座を構えたとされる「御座所(ござしょ)」があり、五階は見通しがよくなっており重臣たちと作戦会議をした場所ではないかと言われています。
「 月見櫓 」
「月見櫓」は、第3代将軍の徳川家光に「善光寺参り」の予定が組まれたときにつくられました。なお、「善光寺参り」は中止となったものの、武備がないことや 戸板を外せば三方向が開口できる開放的な空間になっていることなど、戦乱が落ち着いた時期につくられたことがわかります。

「 太鼓門 」
次に東側にある「太鼓門」、石川氏の時代にはすでに完成しており、明治初期には破却されたと言われています。また、江戸時代は「倉庫」として使用されていたという記録があるようですが、「狭間」や「石落とし」がありました。そして、1999年に復元完成しています。

その他
駒つなぎの桜
熊本城主の加藤清正が 江戸からの帰りに訪れた際、松本城主の石川康長から譲り受けた駒をつないだと言われる「桜」です。
売店
本丸庭園内には「売店」があり、お土産や松本城グッズを購入できます。
松本城「 おもてなし隊 」
松本城庭園内には、松本城「おもてなし隊」が登場します。また、「武士」や「忍者」の衣装を着た人たちが迎えてくれて、写真も撮ってくれます。ちなみに、主に8:30-16:00におられるとのことです。
「松本城」の案内
それでは、入城案内やアクセスについて見ていきましょう。
御城印、スタンプなど
現存十二天守カード
「松本城売店」(有料区域内、黒門を入ってすぐ右手)で、1枚300円で販売されています。
登閣記念朱印符( 御城印 )
「松本城管理事務所」(有料区域内、黒門を入ってすぐ右手)にて販売。記帳ではなく、印刷した朱印符に日付を入れたものです。なお、デザインは2種類。
日本100名城スタンプ
「松本城管理事務所」(有料区域内、黒門を入ってすぐ右手)にスタンプがあります。
入城案内
観覧料
大人700円、小中学生300円(松本市立博物館も観覧可)
開場
開場の日:無休(12/29 – 31のみ休み)
時 間:8:30 – 17:00(GWとお盆期間は8:00 – 18:00)
アクセス
〒390-0873 長野県松本市丸の内4番1号
TEL 0263-32-2902(松本城管理事務所)
公共交通機関で
JR中央本線 および 篠ノ井線 松本駅から 徒歩約20分
信州まつもと空港から 直行バス約30分 または 路線バス約40分
車で
長野自動車道 / 松本ICから 約20分( 約3.5km )
*なお、東京から約2時間40分、名古屋から約2時間30分、大阪から約4時間40分
地図
「松本城」の関連リンク
最後に、関連情報や周辺の情報についての紹介です。
周辺の見どころ
・松本市博物館 … 松本城関連資料と 民俗資料を展示。旧「明治三十七、八年戦役紀念館」
・国宝旧開智学校校舎 … 文明開化時代の1876年に建てられた 擬洋風建築の校舎。
・松本市美術館 … 学都松本における 心をひらく学びの森の美術館、2002年4月開館。
日本100名城
関東・甲信越地方
北陸・東海地方
39番 岐阜城 / 稲葉山城 … 斎藤家から信長へ、標高329mの山城
47番 伊賀上野城(上野城、白鳳城)… 三重県伊賀市の平山城
近畿地方
50番 彦根城 … ひこにゃんでも知られる 現存天守を残す城
51番 安土城 … 築城から6年で消失した幻の名城
53番 二条城 … 徳川家康が築城した 世界遺産「元離宮二条城」
54番 大阪城 / 大坂城 … 秀吉の豪華絢爛の城から 二度の再建
57番 篠山城 … 大書院が復元された 丹波篠山の日本100名城
続日本100名城
165番 郡山城 … 羽柴秀長時代は「大和 ・ 和泉 ・ 紀伊」百万石の地
188番 原城(原城跡)… 「島原・天草一揆」 の最後の砦
その他の城
・坂本城 … 明智光秀が築いた 安土城に次ぐ天下第二の城
・水口城 … 将軍徳川家光が 東海道の宿場町に築かせた城
・信貴山城 … 松永久秀が 平蜘蛛茶釜とともに最期を迎えた地
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