安土城 … 築城から6年で焼失した幻の名城

2024年2月29日

織田信長が築いた豪華絢爛「安土城」。陸運、海運ともの交通の要衝につくられた権力を示す壮大な城でしたが、安土城はわずか6年で焼失したと言われています。なお、「安土城跡」のほか、「信長の館」は再現模型など多数の資料を展示している施設です。また、「日本100名城」に選出されています。それでは、安土城について詳しく見ていきましょう。

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Contents

「安土城」の歴史

「安土城」築城の背景

1575年は織田信長にとって大きな転機となる年でした。まず、5月に「長篠(ながしの)の戦い」で武田氏を滅ぼします。さらに越前を平定すると、11月に「権大納言」、続いて「右近衛大将(うこんえのだいしょう)」にも任じられます。

過去には源頼朝がこれらの役職に任じられており、これで織田信長が事実上「天下人」として認められたことになりました。そして、その3ヶ月後となる1576年1月から「安土城の築城」が開始されます。

「安土城」築城から入城、焼失へ

そして、1576年に丹羽長秀を総普請奉行として築城開始。1579年5月に完成し、織田信長が入城しますが、まもなく落雷により本丸が焼失したとルイスフロイスの著書『日本史』に残されています。なお、外観はVRの紹介動画がありますよ。

この天主は、安土城跡のすぐ近くにある「信長の館」に実物大の「天主」が展示されています。さらに、天主最上階のようすも詳しく再現されていますよ。

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「安土城」について

安土城築城の目的は、越前や加賀の「一向一揆」など北陸方面への警戒の意味もありましたが、城のつくりから考えると「天下を知らしめるための城」の意味合いのほうが強かったと考えられています。それでは、その城郭などの特徴を見ていきましょう。

「安土城」の特徴

「天主」

確たるものは判明していないものの、天主は5層7階であったということです。なお、最上階は正方形で金箔で飾られており、障壁画で囲まれていました。さらに、その次の階は、八角形で朱塗りとなっており、こちらも障壁画が描かれていたとされています。

また、信長が狩野永徳(かのうえいとく)に描かせたという安土城の「金箔屏風」は、ローマ法王グレゴリオ13世に送られたという記録がありますが、現在も見つかっておりません。そして、この屏風こそが安土城の復元に向けての鍵を握っていると言われています。

ロリポップ!

「天主への通路」

通常の城の場合、敵が攻め込みにくいように城への通路は細く曲がりくねっているものです。ところが、安土城の「天主」へ向けての通路は6mと幅が広く、180mも続く直線もつくられています。これらのことから、全国統一を目の前にした信長にとって、防御の必要はなく「政治の場としての城」だったことがわかります。

安土城
「 天主跡 」への登り口

「摠見寺(そうけんじ)」

天主の南西には、「摠見寺」があります。そして、「摠見寺」は城外と城をつなぐ通路にもなっていました。また、「大手門」は来賓用の出入り口で、「摠見寺」のある「百々橋口道」は一般用の出入り口となっていた可能性があります。

なお、「摠見寺」の御朱印や「安土城」の御城印とも、こちらの「摠見寺」でいただくことができます。

「安土城」の場所 … 琵琶湖干拓前は?

まず、「安土城跡」は、滋賀県近江八幡市安土町にあります。現在は琵琶湖に面しておらず少し内陸にありますが、実は当時は三方を琵琶湖に囲まれていました。

干拓前のようす

実は、太平洋戦争のころに食糧増産を目的に「琵琶湖の干拓」がすすめられていました。なお、干拓事業が始まったのは昭和17年のこと、歴史上で見るとごく最近のことだったのです。

また、以下の動画から、当時のようすを見ることができます。2分52秒あたりから、干拓開始から現在までの土地の変化を地図で示しています。

最後に

安土城跡だけでは当時のようすをイメージするのはなかなか難しいため、「信長の館」にある安土城の場所や「天主」の模型、当時の生活のようすもよくわかる展示物もあわせて見てみるといいですね。

るるぶ 滋賀 びわ湖 長浜彦根’23 (るるぶ情報版地域)

安土城 跡の案内

現在に残る「安土城跡」は、安土城築上の際に織田信長が移築し自らの菩提寺とした「摠見寺」とともにあります。(安土城HP

安土城 阯拝観

拝観時間

8:30-17:00(入場は16:00まで)

拝観料

大人 700円、 高校生以下 200円

安土城 跡へのアクセス

滋賀県近江八幡市安土城下豊浦

電車で

JR琵琶湖線 / 安土駅下車 徒歩約25分

車で

名神高速道路 / 竜王ICから 約30分( 大阪方面から )
名神高速道路 / 彦根ICから 約40分( 名古屋方面から )

*なお、普通車150台収容の駐車場あり(無料)。

地図

「滋賀県立 安土城考古学博物館」

「滋賀県立 安土城考古学博物館」は、「安土城跡」の入口から約1.3kmのところにあります。ここでは、詳しい資料を見ることができます。

入館案内

開館時間と休館日

開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 :月曜日(祝休日の場合は翌日)、12/28-1/4

入館料

通 常 料 金:大人 500円、高校生大学生 320円、小中学生 無料
企画展開催中:大人 600円、高校生大学生 360円、小中学生 無料

令和3年度春季特別展「琵琶湖と城 ー信長、秀吉、家康の湖上支配ー」( 4/24-6/6 )
大人900円、高校生大学生640円、小中学生420円、県内高齢者(65歳以上)460円

*「信長の館」との共通券あり。

アクセス

次の「信長の館」とは同一敷地内にあります。

電車で

JR琵琶湖線 / 安土駅下車 徒歩約25分

車で

名神高速道路 / 竜王ICから 約30分( 大阪方面から )
名神高速道路 / 彦根ICから 約40分( 名古屋方面から )

*なお、駐車場は近隣施設と共用で、普通車 350台(無料)。

地図

「 信長の館 」の案内

入館案内

開館時間と休館日

開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 :月曜日(祝休日の場合は翌日)、12/28 – 1/4

入館料

大人 610円、学生 350円、小中学生 170円

アクセス

上記の「滋賀県立 安土城考古学博物館」とは同一敷地内にあります。

電車で

JR琵琶湖線 / 安土駅下車 徒歩約25分

車で

名神高速道路 / 竜王ICから 約30分( 大阪方面から )
名神高速道路 / 彦根ICから 約40分( 名古屋方面から )

*なお、駐車場は近隣施設と共用で普通車 350台(無料)。

地図

「ダイソン」公式オンラインストア

安土城の関連リンク

最後に、その他の城郭や近隣の情報の紹介です。

「 日本100名城 」

関東・甲信越地方

27番 上田城 … 真田昌幸が築城した 長野県信州上田の城
29番 松本城 … 現存する五重六層の天守をもつ 国宝の城

北陸・東海地方

39番 岐阜城 / 稲葉山城 … 斎藤家から信長へ、 標高329mの山城
47番 伊賀上野城(上野城、白鳳城) … 三重県伊賀市の平山城

近畿地方

50番 彦根城 … ひこにゃんでも知られる 現存天守を残す城
53番 二条城 … 徳川家康が築城した 世界遺産「元離宮二条城」
54番 大阪城 / 大坂城 … 秀吉の豪華絢爛の城から 二度の再建
57番 篠山城 … 大書院が復元された丹波篠山の日本100名城

その他の城

「 続日本100名城 」

165番 郡山城 … 羽柴秀長時代は「大和 ・ 和泉 ・ 紀伊」百万石の地
188番 原城(原城跡)… 「島原・天草一揆」の最後の砦

その他の城

坂本城 … 明智光秀が築いた 安土城に次ぐ天下第二の城
水口城 … 将軍徳川家光が 東海道の宿場町に築かせた城
伏見城 … 京と大坂の間、 要衝に築かれた豊臣秀吉の居城
信貴山城 … 松永久秀が 平蜘蛛茶釜とともに最期を迎えた地

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